この広大なインターネット上に放たれた、ただ藪から棒に作られた私の音楽は、聴かかれる当ても無く漂い、いずれその有限な資源にあらがえず無に帰すことを繰り返している。
デジタルを媒体とした私たちの音楽は一体どれくらいの人たちに聴かれる可能性があるのだろうか?と、ふと疑問に思い調べてみることにした。
デジタル音楽利用者はオンライン人口の53%
いろいろ調べ始めてみると、世界最大手の音楽のストリーミング配信サービスSpotifyに面白いデータをみつけた。
Spotifyが言う2013年のデータを元にした数字によると、デジタル音楽利用者はオンライン人口の53%らしい。
WEBの父と言われるTim Berners-Leeも参照 (もう60歳を超えててビックリ!)するInternet Live Statsで、まずは母数となる全世界のオンライン人口を調べてみることにした。
Internet Live Statsよれば、2016年のオンライン人口は約34億人らしい。地球全人口の約74億人からみると半分に満たない約46%がオンライン人口ということになる。
Facebookが公表した2016年のMAU(月間アクティブユーザー)が約17億人(1.71 billion)という内容は、上記の全世界のオンライン人口から考えたら驚くべき数字と言わざる得ない。
比較対象となる2013年のオンライン人口のデータは約27億人とあるので、この53%にあたる約14億人がデジタル音楽を聴くオンライン人口ということになる。
市場規模でみるデジタル音楽
上の表は、国際的なレコード業界団体のIFPIが発表したデータに基づいて作られたRIAJ(一般社団法人 日本レコード協会)が発行するレポートを参照して、2013年の卸値の売上高が高い順に並べたものに、デジタル音楽の内訳額を書き足したものです。
世界全体で約150億ドルの卸値の売上高があるのに対し、デジタル音楽はその39%にあたる約59億ドルの規模になっている。
先ほどのデジタル音楽を聴くユーザーを母数にすると、卸値ベースではあるけれど、平均で一人当たり約4ドルを支払っていることになる。
ただし、中には無料で利用しているユーザーもいるはずだし、小売値で考えれば実際にはこの平均額はもっと上がるだろう。
また、各国の市場規模でみると米国に次いで日本が2位にとなっている。
各国の市場に特色があるにせよ、米国と日本だけで世界シェア50%をもっているのは結構な規模だということがわかる。
2013年の時点ではあるが、特筆する点として、この当時でもCDは売れないと言われていた時代にもかかわらず、パッケージ売上(Physical)の比率が日本国内の80%を占めていることだろう。
EDMの市場規模は約62億ドル
では一体、私の曲の様なジャンルの市場規模はどれくらいなのだろうか?
今で言うEDM(エレクトロニックダンスミュージック)で一括りにしてしまうのはだいぶ乱暴かもしれないが、上図のレポートによればよれば、2013年のEDMの市場規模は約62億ドルにのぼるそうだ。
ここからは異なる出典のレポートからの類推になるが、前述の世界全体で150億ドルを母数とするとEDMの市場規模の割合は約41%になると推測できる。
一体だれが聴いているのか?
この結論を導き出すために若干古い2013年のデータを参考にしているし、数字を強引にこじ付けたり、類推したりしているので、参考程度にしかならないと前もって言っておくけれど、以上の内容からまとめると、EDMの市場規模の割合が全体の約41%という数字から、素直に14億人というデジタル音楽を聴く人口に当てはめると、私の曲のようなジャンル(EDM)を聴く可能性のある人たちは約6億人もいるうことになる(可能性があるにすぎない笑)。
おまけ
また、上図の内容はこれまでの内容との比較にはならないけれど、米国のEDMリスナー人口の内訳がわかる世界的な調査会社ニールセンのレポートで、男女比、年齢分布、人種構成、学歴や年収なんかがわかります。なかなか興味深い内容なので参考までに貼っておきます。